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Full text: 149 lines
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[001]【かおり】
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[002]「ふー、今日もいっぱい働いたなぁ……!!」
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[003]自分の部屋に戻って大きく伸びをする。
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[004]お風呂に入ろうと、下着を出して、
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[005]ふと最近、山之内さんの
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[006]原稿のお手伝いをしてないことに気づいた。
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[007]デビューが決まったって話は聞いたけど、
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[008]やっぱりプロの原稿だもんね、
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[009]わたしみたいな素人がお手伝いできるレベルじゃ
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[010]ないのかもしれないな……。
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[011]それはそれでさみしいけど、
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[012]でも、山之内さんはプロになったんだもん、
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[013]喜ぶべきこと……なんだよね。
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[014]【かおり】
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[015]「……か、顔を見に行くくらいは……いいよね?」
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[016]誰にともなく言って、
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[017]一度は出した下着をしまい込んだ。
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[018]【かおり】
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[019]「ひょあっ!?
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[020] はーい!!」
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[021]【やすこ】
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[022]「よぅ!
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[023] ご機嫌よろしゅう!!」
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[024]目の前に、ぬっと四角い箱を突き出されて、
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[025]思わず受け取ってしまった。
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[026]【かおり】
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[027]「な、何ですか、これ……?」
>

[028]山之内さんはニコッと笑って、
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[029]わたしの質問に答えず、
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[030]ずかずかと部屋の中に入り込んできた。
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[031]【やすこ】
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[032]「黙っとこ思うたけど、フェアやないから、
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[033] あんたには言うとこかな、て思うて」
>

[034]……フェアじゃない……?
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[035]【やすこ】
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[036]「うち、今日で百合ヶ浜を退職してん。
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[037] 今夜中にこの寮を出る」
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[038]【かおり】
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[039]「!?」
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[040]一瞬、頭が真っ白になった。
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[041]今……、何て言ったの……?
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[042]【やすこ】
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[043]「湿っぽいの苦手やし、
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[044] 主任には黙っといてもろてんけど……
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[045] あんたには世話んなったから」
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[046]ニカッと笑っている、山之内さん。
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[047]いつもと同じ、
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[048]何か悪戯を企んでいるような微笑み。
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[049]でも、いつもと違う……。
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[050]【かおり】
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[051]「ど、どうしてですか!?
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[052] 仕事まで辞めなくても、今のままで
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[053] 漫画を描いていたらいいじゃないですか!!」
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[054]クスッと山之内さんが笑った。
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[055]【やすこ】
>

[056]「沢井……あんたは素直な子やね」
>

[057]【やすこ】
>

[058]「素直すぎて……見てるんが辛いねん、
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[059] 自分がヨゴレてんのを
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[060] 見せ付けられてる気分になる」
>

[061]【かおり】
>

[062]「…………」
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[063]汚れてる……?
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[064]そんなことありません、
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[065]山之内さんは汚れてなんていません!
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[066]そう言いたいのに、
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[067]涙で言葉が出てこない。
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[068]もう……引き止めることもできないの……?
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[069]【やすこ】
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[070]「あんたは悪ないねんで?
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[071] うちが……ダメで汚い大人やっただけ」
>

[072]【かおり】
>

[073]「や、山之内さん……」
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[074]【やすこ】
>

[075]「じゃあな、沢井」
>

[076]ポン、と頭の上に手を置かれて、
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[077]山之内さんがわたしに背中を向けた。
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[078]【やすこ】
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[079]「……あんたには、あんたに相応しい、
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[080] 素直で綺麗な人がおる。
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[081] もううちみたいな腹黒にひっかかったらアカンよ」
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[082]【かおり】
>

[083]「…………」
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[084]引き止めることなんて、できなかった。
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[085]引き止めたって、
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[086]聞き入れる人でもないことなんて
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[087]嫌ってほどわかってる。
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[088]だって、
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[089]そんな山之内さんが好きだったんだから……!
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[090]【かおり】
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[091]「……さん……山之内、さん……!!」
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[092]後から後から、涙が零れて頬を伝う。
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[093]その場にへたり込んで、
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[094]山之内さんが渡してくれたお菓子を抱いて
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[095]泣き崩れることしかできなかった。
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[096]――山之内さんがいなくなって数ヵ月。
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[097]季節はもうすぐ春。
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[098]山之内さんのいない病棟にも慣れてきた。
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[099]主任さんは今でもやりにくそう……。
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[100]そりゃそうだよね、
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[101]山之内さんは主任さんの右腕のような存在だったもの、
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[102]穴埋めできるような人材がそう簡単に育つわけもないし、
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[103]見つかるわけもない。
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[104]【かおり】
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[105]「……ん?」
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[106]ポストに少し大きな封筒が入っていた。
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[107]【かおり】
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[108]「……コミック・クィーン……姫百合編集部……?」
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[109]封筒に印刷されたロゴを読み上げてから、
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[110]ハッとした。
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[111]これって、
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[112]山之内さんをスカウトした雑誌の名前……!!
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[113]慌てて部屋に戻って、
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[114]硬い四角いもの――雑誌が入った封筒を開ける。
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[115]見覚えのある絵柄は、
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[116]何度も手伝って、目に馴染んだ絵柄。
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[117]『沢之内モエ、衝撃のデビュー!!
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[118] ドクターとナースの激突ラヴ!!』
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[119]デカデカと表紙に印刷された文字に、
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[120]慌ててページをめくる。
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[121]医療物の漫画。
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[122]サイドポニーテールの女医と美人看護師が、
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[123]患者の治療方針について、
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[124]腹黒なまでに、権謀術数を駆使してやりあいつつも、
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[125]私生活ではラブラブというもの。
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[126]……山之内さんが求めていたのは、
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[127]きっとこういう相手だったのかな?
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[128]【かおり】
>

[129]「……たしかに、
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[130] わたしには、こんなこと
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[131] できないもんね……」
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[132]【かおり】
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[133]「相手の思っていることの裏を読んだり、
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[134] 相手の思惑を自分の考えに引き寄せたり、
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[135] 寄せられたフリで相手の思考の裏を読むなんて」
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[136]沢之内モエという印刷の上に、
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[137]ぽたりと水滴が落ちる。
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[138]山之内さんは
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[139]どんな気持ちで、このペンネームにしたんだろう……。
>

[140]わたしは……
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[141]わたしが山之内さんの隣に立つには
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[142]何もかもが足りなさすぎた……。
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[143]わたしがもっとちゃんとした看護師だったら、
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[144]今頃、山之内さんは
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[145]隣で笑っててくれてたのかな……。
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[146]【かおり】
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[147]「……っく」
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[148]濃く変色した丸い跡が模様のように
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[149]紙面の上に、いくつも落ちていくのが見えた――。
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List of all oneshots
List of all series

(Recent Oneshots)

Isn't It Fine To XX Freely
That Red on Me
First Love Mint Blue
Summer Fuse
Girl Who Can't Say No (Daga Kotowaru)
Cubic Starship
Anaerobic Love
Missing Rink Side:Shuri
Missing Rink Side:Rina
Heart Pendant

(Recent Series)

The Rain and the Other Side of You
Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
Tsubakuma!
Someday, We'll Get There
Honto no Kokoro
Hayate X Blade
Motto Hanjuku Joshi
Yuunagi Marbled
Strange Babies