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社内は外観から想像したより綺麗にされていた。
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ところどころ朽ちてしまっているが、
今にも崩れそうというわけでは無いらしい。
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奈岐が隠れていたから、ちゃんと掃除していたのかな……?
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「――鼎は祠を知っているね?」
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祠、以前に奈岐を捜して訪れたあの場所のことを末来さんが言う。
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私が頷くのを見てから、末来さんは話を続けていく。
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「一対の巫女は奥の広間で儀式と称した戦闘を行う。
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「その戦いの末、生き残った巫女はいない」
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「えっ……」
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「待って、ミライっち……それって、死んじゃうってこと?」
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目を見張った私達に対し、冷静に末来さんは続ける。
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「そう、一対の巫女を贄として穢れに捧げること。
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「お母さんが……」
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お母さんは巫女の掟を破ったと中村さんが言っていた。
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その理由は単純明快すぎるもので……巫女が儀式を壊そうとした?
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でも、儀式が生贄を捧げるものだと知ったら、
お母さんなら行動してしまうのも分かる気がする。
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「ボク達の目的も同じ。呪われた因習からこの島を解放すること」
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「儀式が失敗するって分かっていながら、
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「鼎、さっき言ったように一対の巫女を贄とすることが儀式。
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「そんなことって……」
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「あってはならない。ボクもそう思う。だから、未来の……
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「鼎がいる今なら因習を終わらせることが出来る」
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「ミライっち、どうしてカナカナなの?(BROKEN:8_20)
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眉を顰めたヤヤが末来さんを見る。
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「平気、鼎と鼎の勾玉の力をボクが借りるだけ」
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「私と……私の勾玉の……?」
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「それで終わりにしてみせるから」
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そう言った末来さんの眼差しには、何かの決意を感じた。
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そんなことを感じてしまったからか、
不思議と私は何も言うことが出来なくなる。
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「じゃあ、ヤヤ達は祠にいる穢れと戦えばいいの?」
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「そう。ボクが封印を行う間、穢れ達を引き付けて欲しい」
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「んー、相手に出来る数だといいんだけど」
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「八弥子なら大丈夫。ただあの場所は穢れの気が充満している。
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「…………」
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末来さんはヤヤに流れる血のことを指摘した。
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穢れに似た禍々しい力を引き出すことが出来るヤヤ。
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祠にその気が充満しているとしたら……?
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またヤヤが正気を失ったかのような行動を取ってしまうかも
しれない――そんな心配だろう。
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「ヤヤには私がついてるよ。何があっても正気に戻してあげる」
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「引っぱたくかもだけど」
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「あはは、カナカナ、その時は優しくしてね」
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ニッと笑って見せると、ヤヤが楽しげに微笑んだ。
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「今は八弥子の力を回復したい。明日、陽が昇り次第、
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「ボクは理事長と少し話をしてくるから」
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末来さんはそう言うと、社の外へ出て行ってしまう。
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残された私達は後を追うことも出来ず、
言われた通りに休むため、その場に腰を下ろした。
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「奈岐、大丈夫かな……」
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「んー……ナギっち、賢いからきっと平気だよ」
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ヤヤがいつの間にか這い上がっていたガジを抱きかかえ、
膝の上に乗せた。
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ここから動けない以上は奈岐を信じて待つしかない。
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下手な行動は……きっと奈岐自身に迷惑をかけてしまう。
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私達が思っている以上に彼女は賢いのだから。
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それでも、奈岐は一人で……。
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言い様の無い不安が胸を苛み、私はヤヤの肩に頭を預けていた。
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不安なのはヤヤも同じだったのか、
抱きしめるようにして身を寄せ合ってくれる。
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ヤヤの温もりを感じながら、目を閉じ、不安が過ぎ去る時を待つ。
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ただそれは奈岐の無事を知るまで続くだろうと、
心のどこかでは思っていた。
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Isn't It Fine To XX Freely
That Red on Me
First Love Mint Blue
Summer Fuse
Girl Who Can't Say No (Daga Kotowaru)
Cubic Starship
Anaerobic Love
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Missing Rink Side:Rina
Heart Pendant

(Recent Series)

The Rain and the Other Side of You
Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
Tsubakuma!
Someday, We'll Get There
Honto no Kokoro
Hayate X Blade
Motto Hanjuku Joshi
Yuunagi Marbled
Strange Babies