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「倒しても……倒しても……どんどん、出てくる…………」
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「ど、どうすれば……いい…………これをどうすれば…………」
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「馬鹿だな……私…………」
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「私もな……」
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穢れに囲まれ、私は真琴と背中を合わせる。
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ジリジリと彼らは近づいて来る、私も真琴も自分から攻めるほどの
気持ちを持てる状況じゃなかった……。
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その時――。
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ゾクリとする程の暗い気が祠全体に沸き起こる。
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「な、なんだ……これはいったい…………」
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穢れたちが黒い闇に溶けて行く、彼らの断末魔が響き渡る、
まるでもがき苦しむように、闇に溶けて行く……。
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そして、祠の奥にある、しめ縄がされている岩の奥へと闇に溶けた
黒い影が一気に吸い込まれていく。
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「な、なに……何が起こってるの?」
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「分からない、なんだ……なんなんだ!」
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ゆっくりと、岩の扉が開いていく、黒い霧のようなモノが
広がっていく……。
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『我を呼び起こす者は誰だ……』
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ゆっくりと白い影が現れ、その形を作っていく。
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まるで、その姿は末来さんにも……似て……。
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「うそ……お母さん?」
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「な、何をいっている……」
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『黄泉へと誘う時に迷いし者よ、汝か我を起こす者は……』
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「お母さん……お母さんっ!(BROKEN:8_20)
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『母?(BROKEN:8_20)
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「ダメ……彼女には声は届かない……それに……今のままじゃ
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「片倉先輩……どこから…………」
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「説明は後……ここから離れるよ、鼎、しっかりして、行くよ」
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「で、でも……」
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『汝は……待て、逃げれると思うているのか?』
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「ああ、逃げられるよっ!(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「末来さんは?」
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「ボクはここに残る……やらなければならないことがあるんだ……
(BROKEN:8_20)
(BROKEN:8_20)
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「だから、今は逃げてっ!(BROKEN:8_20)
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『お前は……我がっ……』
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「ボクは末来……未来がくれた……末来だっ!」
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「末来さんっ!」
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「ダメだっ、行くぞ鼎っ!」
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「でもっ!」
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「末来さんっ!!!」
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私は、真琴に無理やり連れて行かれ、岩陰に入る瞬間、
末来さんが優しく微笑んだのが見え、次の瞬間、
大きな爆発が起こる。
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『戸は開かれた、地上は闇に包まれていくのだ……』
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「そんなことはさせない……ボクの命に変えても……しばらく……
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『いいだろう、しかし、いつまで持つかな』
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「彼女たちが戻ってくるまでさ……ボクは普通じゃないからね」
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狭い洞窟を抜けると、そこは北側の海岸近くの岩場だった。
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お互いに装束を解き、地面に倒れこむ。
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すでに日は沈み、あたりは真っ暗で、波の音以外はシーンと
していて、とても不気味な雰囲気に不安を覚えた。
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でも、そんなことを考えている場合ではないと、
すぐに起き上がり彼女を見つめる。
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「戻りたいんだな……」
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「うん……」
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「アレは、穢れとかそういうモノじゃない、勝てると思うか?」
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「分からない……でも末来さんは二人の力を合わせれば……
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「それに、あそこにお母さんがいる……いるんだ」
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「分かるのか?」
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「わからないけど、そんな気がする……」
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「…………母親か」
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「真琴…………」
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「戻る前に、少し……私の話、聞いてくれないか?」
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「うん……いいよ」
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「よかった……」
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「私が家のいう事を聞いていた理由……鼎は諏訪のヤツから
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「母親はどこかの病(BROKEN:8_20)
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「私はそのために、まだ見ぬ母親のために周りに嫌われようが
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「でも、実は……」
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「真琴……もう、いいよ……言わなくても…………」
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私はそっと真琴を抱きしめた……。
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「鼎……私は……ずっと……騙されてたんだ……叔母と思っていた
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「全然……嬉しくなかった…………戸惑いと、悲しみしか……
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「うん……」
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「私……頑張ってきたのに…………全部、無意味だった…………」
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「真琴…………」
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「だから……鼎……鼎は助けたい…………そう思って…………」
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「ありがとう……真琴…………」
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「すまない……もう大丈夫だ…………」
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「うん……」
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「戻ろう……片倉先輩のところ……戦おう、そして……」
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「勝つ!」
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(Recent Oneshots)

Isn't It Fine To XX Freely
That Red on Me
First Love Mint Blue
Summer Fuse
Girl Who Can't Say No (Daga Kotowaru)
Cubic Starship
Anaerobic Love
Missing Rink Side:Shuri
Missing Rink Side:Rina
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(Recent Series)

The Rain and the Other Side of You
Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
Tsubakuma!
Someday, We'll Get There
Honto no Kokoro
Hayate X Blade
Motto Hanjuku Joshi
Yuunagi Marbled
Strange Babies