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「ニキ、準備はいいかい?」
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 ピアノを前にしたニキが、かすかに頷く。
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「杏里……いいかげん、その変な角の帽子取ってよ! バイキングとパイレーツは全然違うんだってば! いや似合うとか、強そうとか、そういう問題じゃなくてさあ!」
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 杏里はしぶしぶドクロマークのついた帽子をかぶりなおした。
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 お揃いになったコローネが、嬉しそうに吠える。
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「だめだめ、アイーシャ。そんなワイングラスじゃ、雰囲気ぶちこわしだよ。ああソヨンも、ここでトックリはないだろ! トックリは!」
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 ドクロ印の徳利を両手でかかげるソヨンは、何がおかしいのだろうかと、きょとんとしている。
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「あの……腕が……しびれて……ニコルさん……あの……」
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 と、アルマのかかげる手には、なみなみと中身が注がれた木製のジョッキがあり、今にも決壊しそうだった。
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「おっとごめん! じゃあいくからね?
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 ウーノ、ドゥエ、トレ、クァトロ!」
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 合図にあわせ、ニキの指が勢いよく鍵盤に吸い込まれた。
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Yo ho yo ho a pirates life for me.We pillage,plunder,We rifle,and loot.Drink up me 'ear-ties yo ho.We kidnap and ravange and don't give a hoot.Drink up me 'ear-ties yo ho.
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Yo ho yo ho a pirates life for me.We extort and pilfer.We filch and sack.Drink up me 'ear-ties yo ho.Maraud and embezzle and even high-jack.Drink up me 'ear-ties yo ho.
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 ニコルはメロディにのせて、まるで指揮棒のようにジョッキを振りまわした。
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 あらんかぎり、がさつな調子で歌い怒鳴った。
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 持ち寄ったご馳走を、手づかみで口に運んだ。
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 そして、杏里の仲間たちを前に、呆然としているリードの肩を、痛いほどに叩いた。
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 その手にもジョッキを握らせ、肩を組む。
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『亡者の箱まで、這ってのぼった15人
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 いっぱい飲もうぞ、ヨー・ホー・ホー!』
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 すぐさま、杏里やソヨンたちも列に加わって、楽しげに身体を揺らしながら、いっそう歌声をはりあげる。
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「わざとよ。ニコルらしい」
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 賑やかな雰囲気の中でも、不安の抜けないらしいアイーシャに、アンシャーリーが耳打ちする。
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「海賊だって、酒盛りの最中は襲ってこないと思うのだわ」
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「……どうして?」
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「そうね。むしろ仲間に入れてほしがるから、かしら?」
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 宴は続く。
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 やがてリードの頬にも朱が差し、笑いが浮かぶようになってきた。
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 アイーシャはそっと安堵の息をついた。
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 そこへ、耳を指でふさぎながら、白衣の麗人がアイーシャの部屋にやってきた。
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「この宴会体質は、どうにかならないのか。そのうち、カモメが飛んできただけで『やれ祝宴だ』となるぞ」
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「ヨーホー! カナエ!」
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 ジョッキがいっせいにあがる。
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「ヘレナは?」「一緒じゃなかったの?」ニコルや杏里が口々に叫ぶ。
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「ちょっと用事だそうだ。おっつけくるだろ……しかし、ずいぶん酒くさいぞ、この部屋。またどやされても知らないぞ?」
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「大丈夫だって!」「ですよ〜」
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 ゴン!
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 ニコルがソヨンとジョッキを打ち合わせる。
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「実はこれ、ぜんぶ水だからさ!」「ですよ〜〜」
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 ゴンゴン!
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「あれ? てっきりボクは上等のラム酒だと思ってたよ」
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 という杏里の言葉に、リードもおずおずと頷く。
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「だからぁ、海賊にとっては、水みたいなものなんだってば!」
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「で〜〜す〜〜よぉ〜〜〜〜〜」
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 というセリフを最後に、ソヨンはずるずると床にのびてしまった。
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「もう12時か?」
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「楽しいと、あっという間だね〜」
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 ニコルと杏里は顔を見合わせる。
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 アンと一緒にソファにかけるアイーシャの前に、頬を紅潮させたリードが立った。
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「ありがとう、アイーシャ。すごい楽しいよ」
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「お酒に強いのね。リード」
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「普通だよ。慣れた」
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 少女は、アイーシャの隣にちょこんと腰かけた。
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 アンが細工できないように、ジョッキを手で塞いでいる。
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「……ちっ」
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「最初はてんでだめだったけど。船の上じゃ、水よりはワインだもの。でなきゃこれ、ラム酒だ」
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 と、手元の琥珀色の液体を指さす。
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「ねえ、リード。強い海賊は、やっぱりお酒も強いのかしら」
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「うーん。そうだなあ」
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 リードは顎の先に親指を立てて思案顔になる。
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 その仕草は少年だった。
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「飲めないと馬鹿にされる。それは確かかな……でも、だからって弱いっていうわけでは……え?」
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 リードの手にあったジョッキは、いつのまにかアイーシャの手に握られていた。
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「アイーシャ?」
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 それまで、ちびりちびりとやっていたアンシャーリーまでが、怪訝な顔をする。
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「少ししかない」と呟いては、すっとサイドテーブルに手を伸ばし、さらにボトルから注ぎ足す。
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 溢れんばかり、なみなみとラム酒をたたえるジョッキを、アイーシャは真剣に見据えた。
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「あ……アイーシャ。それストレートだよ」
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「ええ」
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「えっと、だから……ふつうは何かで薄めるのだけど……あ……」
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「こんなただの飲み物で、威信を競いあうなんて、可笑しいと思わない?」
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 唖然とする二人の前で、アイーシャはゆっくり立ち上がり、そのままジョッキに口をつけた。
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「……あ……」
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「……あー……」
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 張りつめた空気が部屋に伝わり、大騒ぎしていた杏里たちもソファを振り返る。
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 その時にはもう、ジョッキの尻は、水平よりも高くなっていた。
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 ごとん、と空になったジョッキが、テーブルに置かれる。
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 リードが、おそるおそる尋ねる。
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「あ……アイーシャ……? なんともないの?」
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「ええ、どうして?」
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 涼しい顔でアイーシャは微笑む。
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 ほっとリードが息をついた、その直後──
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 ぐらりとアイーシャの長身がゆらいで、倒れかかってきた。
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「わあっ、ちょっと!」
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 リードの悲鳴に続いて、杏里が叫ぶ。
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「ああ、アイーシャ! せめてベッドで!」
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「違うだろ」と天京院。
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 そこでノックの音に気づいたニコルが、入り口の扉へと駆け寄った。
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「遅いよヘレナ!」
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 と、頬を膨らませながら出迎えたニコルが、カチンと凍りつく。
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 確かに、扉の外にはヘレナの姿があった。
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 奇遇なことに、彼女もまた同じように、その場に凍りついていた。ビデオの静止状態のように。
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 それはちょうど、廊下の彼方から、恐ろしいほどに慌てて走り寄ってきたような格好だった。
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 そして、ヘレナの前に立つ、もう一人の人物は……
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 誰あろう品格指導ジョアンナ女史、その人だった。
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 いつのまにか、部屋にいた誰もが固まっている。
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「た、たすけてぇー……」
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 微動だにしないアイーシャの下で、もがくリードの声だけが、むなしく部屋に響いた。
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「へへ……や、やば……」
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 ニコルがこめかみを掻く。
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 女史の唇が、ひくひくとひきつった。
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 部屋は大混乱に包まれた。
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 どうしてか部屋の明かりが突如落とされる。
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 暗闇のなかで、嬌声と鳴き声と、物の壊れる音で騒然となりながら、嵐のような勢いで部屋から人影が散り散りに逃げ出していった。
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 そのうちのいくつかは、肩にかつがれたり、引きずられたり……
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「お待ちなさい! 貴女がた!」
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 そう呼び止めるのが精一杯で、女史はあまりの勢いに廊下に尻餅をついた。
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 ようやく身を起こしたジョアンナ女史が、混沌とした部屋に見たのはただひとり、いや、ただ一人と一匹───
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 コローネと共に取り残された、ニキ・バルトレッティだった。
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 差し込む月光のもとで、少女はそこで何事もなかったかのように、ただおごそかにピアノを弾いていた。
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「………………ショパン」
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 ノクターン第20番嬰ハ短調だった。
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List of all oneshots
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(Recent Oneshots)

Isn't It Fine To XX Freely
That Red on Me
First Love Mint Blue
Summer Fuse
Girl Who Can't Say No (Daga Kotowaru)
Cubic Starship
Anaerobic Love
Missing Rink Side:Shuri
Missing Rink Side:Rina
Heart Pendant

(Recent Series)

The Rain and the Other Side of You
Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
Tsubakuma!
Someday, We'll Get There
Honto no Kokoro
Hayate X Blade
Motto Hanjuku Joshi
Yuunagi Marbled
Strange Babies