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[Nicolle]
狙ってポン!第2回・杏里で垂直ダーツ大会〜っ♪
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[Soyeon]
わっ、わ───っ
>

[Narration]
ソヨンはニコルにこづかれて、手に持つ鈴をシャラシャラ♪と振り鳴らした。
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[Soyeon]
い、いいのかなぁ?
>

[Anri]
ねえ、ふたりともー。図書館では静かにしようよー。
>

[Nicolle]
おお……そのセリフ、誰かさんに聞かせてあげたい。
>

[Soyeon]
でも本当にもう少し静かにしよう?ニコル。
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[Nicolle]
いーのいーの。
>

[Nicolle]
クローエだって「愛しいアンリエットのためなら許可するわ」って、頬を染めて言ってたもの。
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[Soyeon]
さすがです!
>

[Soyeon]
ありがとうございますっ!クローエ先輩!
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[Chloe]
許可してないッ!
>

[Soyeon]
あの、でも……いつのまに第2回に?
>

[Nicolle]
うん。前は「お菓子の落とし喰い大会」だったけど。ありゃ面白かった。
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[Anri]
ボク、そんなことしないよォー。
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[Nicolle]
したっての。2階からコーラ飲んだのは、あんたがはじめてだって。
>

[Nicolle]
はいはい、それよりご覧くださーい。
>

[Nicolle]
子猫ちゃんからご提供いただいた、重量感あふれる品物の数々!
>

[Nicolle]
加速する愛の衝撃は、杏里・アンリエットの失われた記憶を、みごと取り戻せるのでしょうか?さあ投票を締め切ります。ファイナルアンサー?
>

[Soyeon]
また賭けてる。
>

[Anri]
あのう、本当にボクはここに座っているだけでいいの?
>

[Soyeon]
はい。ヘタに動くと生命の危機というか……
>

[Anri]
てゆーか、椅子にがんじがらめで動けないけどね。あはははは。
>

[Anri]
あ、猫さんパンツ。
>

[Soyeon]
あっ、上向いたらダメですっ!
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[Nicolle]
さあまずは第一弾!
>

[Soyeon]
ハイ、いきます!
>

[Soyeon]
───えいっ。
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[Narration]
手すりから身を乗り出したソヨンが、品物からおそるおそる手を離す。
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[Narration]
白い球体が杏里の頭に当たって、コツーンとはねかえる。
>

[Nicolle]
なにさ、あれ。
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[Soyeon]
ピンポン玉です!どうですか、杏里さん!
>

[Anri]
えー? もう始めていいよ?
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[Nicolle]
気づいてないじゃないか。
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[Soyeon]
じゃ、じゃあ次ですよ!えいっ! やわらかムートンまくらです!
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[Narration]
クッションが命中し、ボヨーンとはねかえった。
>

[Soyeon]
どんどんいきます!
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[Soyeon]
やっ! やっ、やっ!
>

[Narration]
ソヨンは次々と品物を落とした。ポプリ、
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羽ぼうき、
>

ハンカチ、
>

軟式テニスボール、
>

毛糸玉、
>

紙風船……
>

[Soyeon]
ど、どうですか?何か思いだしてきましたか?
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[Anri]
おつむがぽふぽふして気持ちいいよー。
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[Soyeon]
ぜ、全然効いてない……っ?
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[Narration]
泣きそうな顔でソヨンがニコルを見る。その頭をパーンとスリッパで殴るニコル。
>

[Soyeon]
い、痛いでふ!
>

[Nicolle]
そりゃそーだろっ!せめてこのくらいでやんなきゃ!
>

[Soyeon]
ふぁ、ふぁあい。
>

[Nicolle]
だいたい記憶を失うほどの衝撃だぞ?それも、あの石頭の杏里がだよ?
>

[Soyeon]
でも痛いですよぅ!?
>

[Nicolle]
……っ。ああもーっ。そんな顔しなさんなって!
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[Nicolle]
ノープロブレム!杏里の頭は、海賊と衝角戦できるくらい頑丈なんだから!
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[Soyeon]
ら、衝角戦(ラム戦)……
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[Narration]
ソヨンの脳裏には、ポーラースター号の船首にとりついた杏里が「ごぉーっ」と唸りながら、海賊に向かう姿が浮かんだ。
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[Principal]
衝角戦用ー意!
>

[Anri]
アイアイサー!
>

[Principal]
返事はヨーソローだ!
>

[Anri]
ヨーソロー!
>

[Anri]
ごぉーっ
>

[Soyeon]
………………
>

[Nicolle]
そうだな〜まずはこのあたりから挑戦するか。
>

[Soyeon]
ええ、そんな……
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[Nicolle]
ダイジョブダイジョブー。いっくよー、杏里。
>

[Anri]
何だかわからないけど、どうぞー。
>

[Narration]
ひゅーっごわーん
>

[Anri]
あだーっ!
>

[Nicolle]
命中!いい音したね。
>

[Anri]
なんだい、これ?ステンレスのボウル?
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[Nicolle]
ご名答〜。提供はイライザ・ランカスター嬢でした。
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[Anri]
ひどいよー、ジラルドさん!
>

[Nicolle]
ジ、ジラルドさんッ!?(裏声)
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[Nicolle]
うぞぞぞぞぞぞぞぞ〜ッ
>

[Nicolle]
ぞくぞくするッ。
>

[Nicolle]
うっひぃッ! もっと強いので攻めなきゃ。ソヨン! どんどん持ってきてよ!
>

[Soyeon]
しくしく……自分の切り出したことと申せども……本当にごめんなさい杏里さん。
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[Nicolle]
お次はアルマ提供“9番アイアン”。ウワーオ、これは強烈。
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[Nicolle]
ほりっ。
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[Narration]
ッカァ───ン!
>

[Nicolle]
ん? いい音?
>

[Nicolle]
───あ、こらっ! 杏里!ボウルかぶるなよ!
>

[Narration]
杏里はまだびりびりと震えているボウルを床に落とした。
>

[Anri]
こ、鼓膜が……っ、
>

[Nicolle]
もっと重いのちょーだいっ
>

[Soyeon]
ん〜〜ッッッッは、はいっ!
>

[Nicolle]
うは、重ーっ!く、クローエ提供“サンドバッ───
>

[Anri]
ぐえーっ!
>

[Soyeon]
これは軽いです。はいっ!
>

[Nicolle]
アンシャーリー提供“スライム”!
>

[Anri]
うわあ、ベトベトするよ〜〜っ
>

[Soyeon]
はいっ
>

[Soyeon]
───ってそれダメーっ!
>

[Nicolle]
アンシャーリー提供“ヤーン”?ほりゃっ。
>

[Narration]
フギャーッ
>

[Anri]
うわっ、猫が猫が!いだだだだだ!
>

[Nicolle]
ニキ提供“コローネ”
>

[Nicolle]
え? コロ?
>

[Collone]
ワゥ?
>

[Narration]
ワゥ──────ッ!
>

[Anri]
犬が犬が!
>

[Soyeon]
ハァ……ハァ……
>

[Nicolle]
どうだーい、杏里?
>

[Anri]
ふ……ふぁうぁぁ……あたまクラクラらよ……
>

[Anri]
でも……ぼんやりとだけど……去りし日の思い出が、まるで走馬燈のように……
>

[Nicolle]
ホント?どんなんどんなん!?
>

[Anri]
ウン……たしかボクは、この船に入学して……それで……うわわっ、スライムが服に入ってきたよ!
>

[Soyeon]
それで?誰に逢われたんですか?
>

[Anri]
え、えっと最初に逢ったのは……たしか長い銀色の髪をした……目のさめるような可憐な少女がボクの隣りに……
>

[Nicolle]
そんなコいたっけ?
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[Soyeon]
ええ? ヘレナ先輩でしょう!
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[Nicolle]
あ……ああ!
>

[Helena]
……っくしゅん!
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[Helena]
うう……寒気がするわ……
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[Nicolle]
ということは、記憶が戻ってきた!?
>

[Anri]
…………だめだ。それ以上、思い出せない……彼女の名前……名前は……
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[Nicolle]
よーしもう一息だぜ! ソヨン!
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[Soyeon]
う、うんっ!じゃあ船倉から運んできたとっておきのを!
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[Nicolle]
…………………………うわ。
>

[Narration]
通用口から、巨大な円筒形の物体が姿を現す。
>

[Nicolle]
ビ、ビジターズ3人まとめて漬け込めそうな大がめが、まるでロードローラーのように、ンゴロンゴロと───
>

[Soyeon]
んん……んしょ……ん……しょっ……我が家に伝わる十年ものの“ハンアリ”ですっ……
>

[Nicolle]
ちょ、ちょっとソヨン?それは、何トンあるわけ?中身つまってんの?
>

[Soyeon]
んーしょっ、んんんしょっ!
>

[Nicolle]
ちょっと? そこで止め……おい……ストップ、ストーップ、オーイッ!
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[Soyeon]
え?
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[Narration]
メキメキメキメキ……ッ
>

[Soyeon]
……あれ? 勝手に……?
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[Narration]
“大ガメ”は手すりを押し破りそのまま階下へ……
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[Narration]
バキバキバキバキッ!
>

[Narration]
ドガッシャーン!
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[Narration]
フギャアッ、フギャーッ!
>

[Narration]
ワォッ、ワゥワゥワゥワゥッ!
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[Soyeon]
キャーッ! 杏里さーんッ!
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[Soyeon]
ニ、ニコル、ニコルッ!杏里さんが杏里さんがっ!
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[Nicolle]
どうどうどう。つーか何がしたかったのキミは。
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[Soyeon]
うう杏里さんがぁぁ!
>

[Soyeon]
スライムまみれの猫毛だらけ犬毛だらけ、おまけに十年もののキムチにまみれて緑と赤の泡を吹いてます!
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[Nicolle]
……生きてるだけマシだって。
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[Nicolle]
おい、杏里! 杏里!
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[Soyeon]
杏里さんっ!
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[Narration]
気づくと杏里は、図書館のテラスに横たわり全身にホースで水を浴びせられていた。
>

[Nicolle]
(鼻をつまんで)ふがふが、キムチくっさ……こりゃあ当分とれないねー。
>

[Soyeon]
杏里さん、ごめんなさい!あたしがバカでノロマでドジだったばっかりに。
>

[Nicolle]
いや、そこまでは言わないけど。あたしもノリノリだったし。
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[Collone]
ウォゥ……
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[Soyeon]
コロちゃんも、本当にごめんなさいごめんなさいごめんなさい!
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[Narration]
そのころ、天京院の個室に逃げ戻ったヤーンは、コーヒーといり混じった得も言われぬ異臭を漂わせて、天京院をげんなりさせていた。
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[Narration]
───突然、杏里がむくりと起きあがった。
>

[Anri]
どうなさったの? なにを哀しんでいらっしゃるの、わが真珠。
>

[Soyeon]
……あ、あんり……さん?記憶が戻られたんですか?
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[Anri]
おお、マルガリティフェラ。涙はいっそうあなたを美しくさせる。でもあまり、アフロディテを嫉妬させるものではないわ。さあ笑って?
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[Soyeon]
マルガリティ……?杏里さん、あたしファン・ソヨンですよ!
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[Nicolle]
なんか……いつもとビミョーに調子がちがくない?
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[Anri]
おおレベッカ、我が愛の罠よ。
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[Nicolle]
へ? だからあたしゃニコルだぁよ。
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[Soyeon]
杏里さん、しっかりしてください!
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[Anri]
ヘレネーはどちら?パメラは? ミケは?
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[Anri]
そう、ホルテンシアと、ルポーティアも呼んでくださらない?
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[Anri]
さあソニクス、竪琴を弾いて?やわらかな音色とともに、皆で夕暮れを迎えましょう。
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[Nicolle]
うわぁ、気持ちわりぃ。
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[Soyeon]
いつも通りの杏里さんじゃありませんよ!?
>

[Nicolle]
なんか、ショック強すぎて、よくない記憶まで引き出したんじゃないか。
>

[Anri]
誰が止められるというのでしょうか、この燃えさかる恋心を。運命は稲光のようにわたしを打ちすえ──────
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[Narration]
ちぃぇあああああああああああああ!!
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[Narration]
ソヨンはぽかんと口を開いて天空をみあげている。
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[Nicolle]
え、何? 上?
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[Narration]
ズゴガガガガガッ!!
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[Narration]
ベキベキベキベキッ!!!
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[Soyeon]
あああ杏里さんがっ首まで甲板にめり込んで!
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[Nicolle]
どこから飛び降りてきたこのネリチャギ魔人はっ。
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[Chloe]
もちろんお父様の設計した、わたし専用の飛び降り台から。それより……
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[Chloe]
杏里っ! 図書館に充満するあの異臭はなにごとなの?
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[Chloe]
本棚ひと列まるまる、本格キムチテイストになっているじゃない! どうするのよあれ!
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[Chloe]
『華麗なるギャツビー』も、『真夏の夜の夢』も、『風と共に去りぬ』も、キムチ汁でマッカッカのカーよ!?
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[Soyeon]
ごめんなさいクローエ先輩!あたしのせいなんですっ。杏里さんは全然悪くないんですっ!
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[Soyeon]
でもキムチには罪は無いんです!それだけはどうかっキムチは、キムチは健康にいいんです!
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[Nicolle]
まあまあまあクローエ。ソヨンの言うとおりさね。
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[Nicolle]
知識欲ばかりじゃバランスが悪いっしょ。あれなら食欲も刺激されて健康的なんじゃないの? あーほら、
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[Nicolle]
『華麗なるキムチ』、『真夏の夜のキムチ』、『キムチと共に去りぬ』。
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[Nicolle]
とかネ?
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[Chloe]
そんなピーリカピリカラオモシロ文学があってたまりますか!
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[Narration]
ゴン、ゴン、と二人の少女の頭に容赦のない一撃が落ちた。
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[Anri]
あれ……ここは図書館のテラス?ボクはこんな所で何を……
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[Anri]
きみたち……誰?
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[Nicolle]
どうも……リセットされたくさい。
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[Soyeon]
じゃ、じゃあ……また最初から……
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[Chloe]
やめなさい。
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[Unknown]
子猫ちゃん……やっぱり、この船の中に……
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