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[Narration]
灯りもつけないまま、杏里はベッドの上、壁に背を預け、片膝を抱えていた。
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[Narration]
暗闇の中、何も目に映さずに、そのままでいた。
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[Narration]
時折、電話が鳴る。しかし、それをとることもなく、ただ、杏里はベッドの上に座っていた。
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[Narration]
灯りもつけない暗闇の中、杏里はベッドにいた。毛布を頭から被り、体を丸く抱え込んでいる。
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[Anri]
嘘だよ、嘘だと言ってよ、かなえさん……。
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[Anri]
ひどいよ、そんなの……。
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[Narration]
杏里の声だけが響いていた。泣き出しそうな声が。
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[Anri]
疲れた……。うん、でも、一生懸命、捜査しなきゃ……。
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[Anri]
ヘレナが状況を整理してくれたのは、非常にわかりやすかったな。
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[Anri]
そっか、ボクはあの時、全然気づかなかったけど、犯人には、海へのあの窓以外、逃げ道はなかったのか……。
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[Anri]
じゃあ、犯人は海の藻屑……かな?
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[Anri]
あれ? そうすると、ボクの容疑はどうやって晴らすんだ?
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[Anri]
まあ、考えるのはかなえさんにまかせよ。
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[Anri]
イライザの話だと、土曜日の夜には、職員も動員されて、ほとんどの通路に警備がしかれていたってことだ。
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[Anri]
そして、不審な人物、警備箇所で質問を受けた後、行方がわからなくなった人物はいなかったってこと。
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[Anri]
その中には、ボクだって入っているんだよな。
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[Anri]
しかし、犯人はどこにいるんだろう?
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[Anri]
なんか……、犯人って入り口も出口もないところで犯行を起こしてないか?
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[Anri]
あれ〜?
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[Anri]
それにしても、ニコルがあんなものを手に入れてたとは驚いた。
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[Anri]
しかし、実際見ると、けっこう凶悪なもんだな、ディルドゥって……。
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[Anri]
ちょっと使ってみようかな……。
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[Anri]
いや、いやいやいや!
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[Anri]
そして、またまた美少女探偵団か。
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[Anri]
うん、とにかく、クレアが無事でよかった。絶対にあの窓から逃げるのは自殺行為以外の何ものでもないな。
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[Anri]
ふぅ……。
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[Narration]
息をついて、杏里は考えすぎでのぼせた頭を振ってから、湯船に沈み込む。
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[Anri]
……なんか、よくわからなくなっちゃった。
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[Anri]
うん、ボクには難しいこと考えるのは無理だな。……みんなだってそう言うしさ。
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[Anri]
かなえさんに早めに相談してみようかな? このモヤモヤした謎をすっぱり解いてくれるかもしれないし。
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[Anri]
うん、そうしよう。
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[Anri]
さて、今日はもう寝よう……。
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List of all oneshots
List of all series

(Recent Oneshots)

Isn't It Fine To XX Freely
That Red on Me
First Love Mint Blue
Summer Fuse
Girl Who Can't Say No (Daga Kotowaru)
Cubic Starship
Anaerobic Love
Missing Rink Side:Shuri
Missing Rink Side:Rina
Heart Pendant

(Recent Series)

The Rain and the Other Side of You
Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
Tsubakuma!
Someday, We'll Get There
Honto no Kokoro
Hayate X Blade
Motto Hanjuku Joshi
Yuunagi Marbled
Strange Babies