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[Anri]
アイーシャ!
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[Narration]
切れそうになる息をどうにかこらえて、杏里はアイーシャの名前を呼んだ。
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[Anri]
ここに、いたんだ。
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[Aisha]
すごい……。
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[Narration]
駆けてくる杏里の姿を見て、アイーシャはわずかに目を見開く。
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[Aisha]
どうして、わかった……の? ここにいるのが。
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[Anri]
運命がボク達二人を引き寄せたのさ。冗談。レーダー、嘘、勘かな? なんとなく、ここにいるかと思って。
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[Anri]
ほんとは、学園の中の方で捕まえたかったんだけど、見つからなくって……。
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[Anri]
空き時間ってよくここにいるって前に聞いてたし。
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[Aisha]
わざわざ走ってこなくてもよかったのに。
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[Anri]
いや、気が急いちゃって……。
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[Aisha]
ゆっくり歩きましょう、杏里。ここの空気ってきれいなのよ。そのうち、呼吸も落ち着くから。
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[Narration]
手を膝について息をつく杏里に、アイーシャは笑いをこらえた声をかける。
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[Narration]
杏里とアイーシャは並んで、温室の木立の中に通された遊歩道を歩いていく。
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[Aisha]
ここって、本当に大きな温室……ね。
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[Narration]
強いリクエストで、杏里に対して敬語を使うのをアイーシャはやめた。しかし、まだ一日では慣れないのか、時々、思い出したように言葉がつまる。
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[Narration]
それすらも、努力への必死さがうかがえて、杏里には心地よい。
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[Anri]
この船はなんでも少しはずれたスケールだけどね。
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[Narration]
全長千メートルの巨船、その甲板の半ば近くを占める空中庭園。温室はその一部とはいえ、十分な広さを誇っている。
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[Anri]
時々、樹の世話を手伝っている言ってたよね。
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[Narration]
背の高い木々が並ぶ。自然と、二人とも上を見上げながら会話を続ける。
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[Aisha]
ええ。お水や肥料をあげたりするくらい……だけど……。
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[Aisha]
あとは……、スプリンクラーで散水するのを眺めたり。きれいなのよ、虹がぱーっと見えるの。
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[Anri]
ふーん、見てみたいな。今日はやらないの?
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[Aisha]
うん、もう、午後だから。樹の世話は、午前中にやるのよ。
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[Anri]
へぇ……。明日だったら見れるかな?
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[Aisha]
たぶん。私も、明日の午前中は授業がないから、少し手伝えるかなって思ってたんだけど。
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[Anri]
じゃ、ボクも一緒にいたいな。
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[Aisha]
……じゃあ、明日、またここに来ましょう。ちょっと早くなるけど。
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[Anri]
うん!
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List of all oneshots
List of all series

(Recent Oneshots)

Isn't It Fine To XX Freely
That Red on Me
First Love Mint Blue
Summer Fuse
Girl Who Can't Say No (Daga Kotowaru)
Cubic Starship
Anaerobic Love
Missing Rink Side:Shuri
Missing Rink Side:Rina
Heart Pendant

(Recent Series)

The Rain and the Other Side of You
Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
Tsubakuma!
Someday, We'll Get There
Honto no Kokoro
Hayate X Blade
Motto Hanjuku Joshi
Yuunagi Marbled
Strange Babies