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[Anri]
ヘーレーナー!
>

[Helena]
あら、杏里……? きゃ、きゃあ、いったい何を……!?
>

[Anri]
まーまー、ヘレナ、そんな難しい顔しないでさ。
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[Helena]
あ、何を……! や、やめなさい、杏里!だめ、や、やめて! あぁ……!
>

[Anri]
うふふふふふ……。
>

[Helena]
あ、あぁ……! だめ、いく、いくぅ……!あぁ……、うぁ、あ、ああああっ……!
>

[Anri]
ふぅ……。
>

[Helena]
うぅ、ううううぅ……。
>

[Narration]
杏里は通路を疾走する。
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[Narration]
自分の勘には自信があった。なにより、多情にまさるまめさこそが、杏里をして、六人もの子猫ちゃんと関係させしめている。
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[Narration]
この時間に、誰が、どこにいるか。杏里は勉学に使う分とは別の記憶力に、そのデータベースを構築していた。
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[Narration]
それに従って、走る。目指す子猫ちゃんはすぐに見つかった。
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[Narration]
ヘレナ・ブルリューカ、気高かさの下に、裏腹な情熱を隠し持つ少女。
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[Narration]
情報を聞き出すために彼女を捜していた杏里だが、その姿を見た瞬間に、彼女の中のチャンネルが切り替わる。
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[Narration]
勢いそのままに、杏里はヘレナへ猛然と駆け寄っていった。
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ヘレナ・ブルリューカが現れた!
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情欲のために押し倒す
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[Anri]
ヘーレーナー!
>

[Helena]
あら、杏里……? きゃ、きゃあ、いったい何を……!?
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[Narration]
呼ぶ声に振り返るヘレナに、まともに答える暇も与えず、杏里はヘレナを押し倒す。
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[Helena]
な、何、どうしたの、杏里! は、離しなさい! いや、離して、離して……!
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[Anri]
ヘレナ、ヘレナ! ボクはいつでもノンストップさ!
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[Helena]
何を言ってるのよ……、あ、だめ、だめぇ……!
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[Helena]
こ、こんな……、いつ人が来るのかわからないところで……、学園の共有の場所で……。ふしだらだわ、破廉恥な……。
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[Helena]
杏里、お願い、やめて!
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[Anri]
もう、遅いよ。
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[Narration]
その言葉の通りだった。すでにヘレナの手足は絶妙の力加減で押さえ込まれ、髪も服も乱れている。
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[Narration]
そして、杏里の責めはもう始まっていた。
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[Helena]
あ、はぁ、……いやぁ!
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[Helena]
や、やめて、いやぁ……! あ、ひぁ、杏里、おね……お願いだから……、んあぁ!
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[Narration]
ヘレナの哀願を無視して、杏里は身体を貪る。そして、ヘレナにとって認めがたい感情の暴走が始まる。
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[Helena]
あ、あぁ、ん、そ、そこは……、あぁ!
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[Helena]
い、いやぁ……、だめ、だめよ……! ふぅん、あ、あん、うあぁ……!
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[Narration]
舌技に応えて跳ねる腰を押さえるのに杏里が苦労するほど、ヘレナの身体は激しく反応する。
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[Anri]
さ、ヘレナ、もうすぐだよ。また、素敵な世界を見せてあげる。
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[Helena]
いや、いやぁ……、あぁ、うあぁ、あ、あん、あんん……!
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[Helena]
杏里、お願い、もうやめて……。あぁ! そ、そこは……、あん、あぁん、うぁ! ああっ!
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[Helena]
いやぁ、つ、強くしないで……、あ……、だめ……。あん! あん、あぁ……!
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[Helena]
ふあぁ、あ、あ、だめ、いく、いくぅ……!ふ、うぅ、あ、あ……!
>

[Helena]
ああああぁっ……!
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情報のために踏みとどまる
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[Anri]
いや、待て待て! ここでヘレナとHしちゃったら、いつもと同じパターンじゃないか!
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[Anri]
確かに、ヘレナの身体は魅力的さ! でも、今は何よりも捜査を進めることが大事なんだ!
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[Anri]
そのために必要なのは、ヘレナの身体じゃなくてその知性に蓄えられた情報なんだ!
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[Anri]
ああ、しかし残念だ! こんなにも人気の少ない場所でヘレナに会ったというのに、思う様その身体を味わうことができないなんて!
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[Anri]
喉の渇きを癒す瑞々しい果実を目の前にして、忍耐を強いられる砂漠の旅人だ、このボクは!
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[Anri]
汲めど尽きぬ泉、ああまさにそう詠うことのできるあのヘレナの身体! 絶えることなく囀り続けるあの鳴き声! 柔らかく暖かく、そして優しく包み込む抱擁!
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[Anri]
ボクになんの罪があろういうや、神よ! なにゆえに、そこまでの苦難をボクに与えたもうのか! 答えてよ!
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[Helena]
何を大声で言ってるんですか!
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[Anri]
あれ、ヘレナ。
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[Narration]
いつの間にか目の前に来ていたヘレナに、杏里は怒鳴りつけられる。
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[Helena]
公共の場で、はしたない真似はやめなさい!
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[Nicolle]
まったくだ、よくあそこまで言えるもんだ。
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[Narration]
杏里にひっぱりまわされていたニコルが、追いついて感想をもらす。
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[Anri]
ニコル、キミの発言は不見識というものだよ。一度ヘレナの身体を味わってみれば、あの程度の叙述ではとても言い尽くせないってことは……
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[Nicolle]
……別にヘレナと寝たくはないなぁ。
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[Helena]
何をしに来たのよ、あなた達は!
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[Nicolle]
ヘレナが知ってそうなことを聞きにきたんだろ、杏里。まったく、話がまっすぐに進まないったら。
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[Anri]
まったくだ。ヘレナの身体は、まさに魔性と言うべきだね。
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[Helena]
ちがいます!
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[Nicolle]
……終わったかい?
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[Anri]
やあ、ニコル。
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[Helena]
……!!!
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[Narration]
ニコルの登場に、くず折れていたヘレナが立ち上がる。目にもとまらぬ速さで、乱れた服をなおし、髪を結い上げ、眼鏡を戻す。
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[Nicolle]
おー早い早い。
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[Helena]
ああああら、ジラルドさん。あああ、私としたことが、ちょちょちょっと転んでしまって。
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[Nicolle]
杏里と一緒に? 寝転んだ?
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[Helena]
ちちち、ちがいます! 杏里! あなたって人は! いったい何なんですか!?
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[Anri]
いやぁ、聞きたいことがあったんだけど、キミの顔を見たらもう、いろいろどうでもよくなって……。
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[Helena]
どうでもよくなったらああいうことをするっていうの、あなたは!
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[Nicolle]
……なにされたのさ?
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[Helena]
え、あ、あの、そ、それは……。
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[Anri]
まあまあ、それだけヘレナが魅力的だってことだからさ。
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[Helena]
へんな結論を出さないで!
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Hana ni Arashi
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