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[Narration]
ドアチャイムの音に生返事をして、ドアを開けたら立っていたのはイライザだった。
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[Eliza]
──まぁ、杏里様ったら、そんな格好で出てくるなんて。
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[Narration]
イライザが呆れた通り、杏里は風呂あがりのバスローブ姿だった。
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[Narration]
が、当人はまったくそんな事を気にした様子はない。
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[Anri]
どうしたんだい、イライザ?何か緊急の手がかりでも?
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[Narration]
その、どことなく焦っている気配をイライザは敏感に感じた。
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[Eliza]
杏里様、アイーシャ様のことは……。
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[Anri]
うん、いくら秘密にしても、やっぱり噂はね……。
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[Anri]
学園側も脅迫事件のせいで、本格的な箝口令をしくようになってるみたいだけど……。
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[Eliza]
そうですね……若い女性がこれだけいるところで、秘密を保とうというのが無理なのかもしれません。
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[Narration]
アイーシャ・スカーレット・ヤンが襲われた事実は、これまで以上に厳しく秘匿されていた。
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[Narration]
おそらく、学園全体には噂も広まっていない。
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[Narration]
──しかし、杏里のように独自の情報網を持っている人間には、すぐ知れ渡る内容だった。
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[Anri]
(結局、新しい被害者を許してしまった──くそっ、情けないや!)
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[Anri]
(ソヨン、アイーシャ……かなえさんの推測通り、次々と襲われている)
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[Anri]
(だとすると、次は……アルマ)
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[Narration]
それだけは、断固として阻止しなくては。
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[Anri]
お金が絡んで、ようやく本腰をいれる学園のやり方も頭にくるな。
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[Eliza]
どうせ犯人も女だから、レイプ事件というよりイジメ……ぐらいで処理したかったのでしょう。
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[Eliza]
学園側の考え方もわかります。──支持はいたしませんけれど。
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[Narration]
杏里もやれやれと首を振った。
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[Anri]
ああ、ところで、どうしたの?ひょっとしてアイーシャの話?
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[Eliza]
それもあったのですが、ついでの用件がひとつ……。
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[Narration]
そう言って、イライザは細長い金属製のものを取り出した。
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[Anri]
……なに、これ?
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[Eliza]
実は、天京院様のクリーニングに紛れていたんです。
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[Eliza]
お返ししようと思ったのですが……しばらく誰にも会う気はない、とすげなく追い返されてしまって……。
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[Anri]
かなえさんが?
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[Eliza]
はい、杏里様ならお会いになる機会もあると思いますので、申し訳ありませんが、天京院様にお返し願えますか?
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[Anri]
別にいいよ、渡しておこう。……でも、メイドにも会わないって、何か研究で派手な失敗でもしたのかな?
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[Eliza]
さあ?
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[Narration]
イライザが帰ったあと、杏里は彼女の置いていった金属製品をしげしげと眺めた。
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[Anri]
なんだろう……コンピューターの部品かな?
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[Narration]
まあ、会いに行ったついでに渡せばいいだろう……と、杏里はそれを制服のポケットに押し込んでおいた。
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List of all oneshots
List of all series

(Recent Oneshots)

Isn't It Fine To XX Freely
That Red on Me
First Love Mint Blue
Summer Fuse
Girl Who Can't Say No (Daga Kotowaru)
Cubic Starship
Anaerobic Love
Missing Rink Side:Shuri
Missing Rink Side:Rina
Heart Pendant

(Recent Series)

The Rain and the Other Side of You
Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
Tsubakuma!
Someday, We'll Get There
Honto no Kokoro
Hayate X Blade
Motto Hanjuku Joshi
Yuunagi Marbled
Strange Babies