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[Narration]
今日も天気は快晴だ。
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[Narration]
アルマを捜してうろうろしていた杏里は、彼女が温室へ向かったと聞いてここまでやって来た。
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[Narration]
温帯から熱帯にかけての珍しい植物の中を抜けていくと、人気のない奥の方からアルマの声が聞こえた。
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[Anri]
──アルマ!
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[Alma]
あら、杏里様。
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[Anne Shirley]
こんにちは。
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[Anri]
やぁ、輝かしき我が太陽!可愛い子猫ちゃんもご一緒だね!
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[Alma]
……子猫ちゃん?
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[Anri]
アンシャーリーさ。
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[Alma]
ええ、バンクロフトさん、ここにご自分の苗を植えていらっしゃるというので、見学に来たんです。
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[Anri]
へえ。
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[Narration]
杏里は植え込みの奥まったところに、他と毛色の違う茎が伸びているのを見た。
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[Anri]
あれが、そう?
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[Anne Shirley]
ウィー。
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[Anri]
なんていう植物なんだい?花は咲いてないようだけど……。
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[Alma]
ご実家から送ってこられたそうですよ。
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[Anne Shirley]
……これは……。
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[Anne Shirley]
新型かもしれない。
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[Alma]
……は?
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[Anri]
気にするのはやめよう、アルマ。
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[Alma]
……?
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[Narration]
アンシャーリーは苗の前にしゃがみ込んでつんつん、と葉をつついた。
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[Anne Shirley]
……昏い炎のボゲードンはどう思うかしら?
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[Anri]
………………。
>

[Anne Shirley]
ダメよ、邪魔しちゃ。ちゃんと順番にならびなさい。
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[Anri]
………………。
>

[Anne Shirley]
あっ、ハネがハネが……。
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[Narration]
見えない何かを追い払おうと、アンシャーリーがぶんぶんと手を振り回す。
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[Narration]
どうやら彼女は、杏里やアルマ以外の誰か──あるいは何かを相手にするので忙しいらしい。
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杏里は……
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アルマに話しかける
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[Alma]
バンクロフトさんって、時々こうしてご自分の世界へ入ってしまわれるのですよね。
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[Narration]
もう慣れているのか、アルマは変わった様子もなく、そう言った。
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[Alma]
しばらく待てば、戻ってこられるはずですけど。
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[Anri]
アンシャーリーと仲がいいとは知らなかった。
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[Alma]
それは、クラスメートですし。
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[Anri]
いや……彼女の場合、クラスメートでも付き合える人間は限られているみたいだから……。
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[Alma]
入学してすぐの頃に……バンクロフトさんに、お茶をもらったんです。
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[Alma]
変わった風味のあるお紅茶で、わたし何だか癖になってしまって、それからもよく分けていただくんですよ。
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[Anri]
……そう。ほどほどにね。
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アンシャーリー?
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[Narration]
杏里の呼びかけにも反応せず、アンシャーリーは黙々と土を掘っていた。
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[Narration]
そのうち、ハッとしたように穴を埋め、きょろきょろ周りを見回す。
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[Anne Shirley]
……これは、見なかったことに。
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[Anri]
何を?
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[Anne Shirley]
晩ご飯には間に合うかしら。
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[Anri]
誰が?
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[Anne Shirley]
まあアルマ、そこに居たの?いいわ、説明してあげる。
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[Anri]
ボクは?
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[Narration]
いちいち噛み合わない会話を続けていると、アルマが困ったような笑顔を浮かべてこっちを見ていた。
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[Anne Shirley]
杏里、キノコいる?
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[Narration]
土で汚れた手を払いながら、アンシャーリーが唐突に聞いてきた。
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[Anri]
いきなりなんで?
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[Anne Shirley]
家から、マジックシメジとマジックマツタケを送ってきたのよ。
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[Anri]
何に使えと?
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[Anne Shirley]
平気。日本でも合法だから輸出もできるの。
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[Anri]
……今回はやめとく。
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[Anri]
前みたいに、1週間もバッドトリップしてるヒマはないから。
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[Alma]
魔法のキノコなんですか?
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[Anne Shirley]
魔法のようなキノコ。
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[Alma]
……どう違うんでしょう……?
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[Anne Shirley]
試す?
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[Alma]
はい、ぜひ……。
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[Narration]
それでは、と立ち去るふたりを見て、杏里はポツリとこぼした。
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[Anri]
……大丈夫かな?
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List of all oneshots
List of all series

(Recent Oneshots)

Isn't It Fine To XX Freely
That Red on Me
First Love Mint Blue
Summer Fuse
Girl Who Can't Say No (Daga Kotowaru)
Cubic Starship
Anaerobic Love
Missing Rink Side:Shuri
Missing Rink Side:Rina
Heart Pendant

(Recent Series)

The Rain and the Other Side of You
Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
Tsubakuma!
Someday, We'll Get There
Honto no Kokoro
Hayate X Blade
Motto Hanjuku Joshi
Yuunagi Marbled
Strange Babies