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[Narration]
杏里は船内をしゃにむに駆けまわり、ソヨンの姿を求めた。
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[Narration]
カリヨン広場。
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鐘楼。
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空中庭園。
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[Narration]
お風呂。
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[Narration]
温室。
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船首。
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ソヨンの個室。
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[Narration]
お風呂。
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[Narration]
大講堂。
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風呂。
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大図書室。
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[Narration]
お風呂。
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[Narration]
大廊下。
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またカリヨン広場。
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[Narration]
途方に暮れ、乗馬場にたどりついた時には、もうすっかり陽は暮れかかっていた。
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[Narration]
杏里は息を切らしながら、草の海へと我が身を投じた。
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[Narration]
風にうねる牧場は、帯状に赤銅色の輝きを返しながら、刻々と表情を変えていく。
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[Narration]
ほどなく杏里は、牧場を囲む丸木柵の傍らに少女を見つけた。
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[Narration]
柵に寄りかかり、草はむ馬たちの姿を見つめている。
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[Narration]
ひたむきで、でも、どことなく寂しげな横顔。一枚の絵画のように視界におさまった少女の姿を、杏里は息を止め見つめていた。
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[Narration]
やがて、草を踏み分けながら近づくと、少女も気づいて顔をあげた。
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[Narration]
杏里に自然と微笑みが広がる。
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[Anri]
見つけたソヨン!
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[Anri]
ずっとここにいたの?
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[Narration]
一瞬、その声を聞いたソヨンは、ぱっと顔を輝かせたものの、すぐまた塞いだ表情に戻ってしまう。
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[Anri]
ハァ……ハァ……あんまり大きな船も考えものだよ。もう一生、逢えないんじゃないかってなんだか不安になっちゃった。
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[Soyeon]
ぁ……
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[Narration]
かすれた声は、たちまち草の音にかき消されてしまった。
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[Anri]
でもよかった。ここにいたんだね……よかった……
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[Narration]
杏里はその場に腰をおろした。胸を上下させながら深呼吸する。
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[Soyeon]
杏里……さん……
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[Soyeon]
ごめんなさい……あたし……
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[Narration]
その場に立ちつくしたまま、ソヨンは歯をかみしめた。すっかりしょげて、涙をにじませようとするソヨンに、杏里は草の上から語りかけた。
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[Anri]
よかったら座らない?
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[Anri]
馬を見ていたんだよね?一緒に見ようよ。
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[Narration]
こくりとうなずいたソヨンは、杏里の脇にそろそろと腰を下ろした。
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[Narration]
二頭の馬が長い影を落としながら、丸い丘へと向かう。優雅にたなびくたてがみを、杏里はまぶしそうに、目をすがめて見つめた。
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[Anri]
きみの姿を捜しながら、ボクずっと考えていたんだ。どうしてこんなふうになってしまったのか。
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[Anri]
それで……ひとつだけど、思い当たることがあって。
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[Anri]
それだけは聞きたくてさ。
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[Narration]
またソヨンはためらいがちに肯く。
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[Anri]
ソヨンがボクのことを、事件の犯人じゃないって信じてくれてるのはわかるよ。
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[Anri]
ただ、もしかしてボクの別の噂の方を、気にしているんじゃないかなって。
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[Anri]
その噂は……たぶん嘘なんかじゃなくて、当たっていると思うんだ。
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[Narration]
夕日に染まる杏里の横顔をソヨンは見つめた。
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[Anri]
ボクさ、女の子が好きなんだ。
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[Narration]
ソヨンはまだ平静だった。
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[Soyeon]
……あたしもです……
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[Anri]
え?
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[Soyeon]
……あたしも……クレアやミリエラやコーたちが大好き……です。
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[Anri]
違う違う。きみの好きとは異なるんだ。likeじゃなくて、loveだよ。愛しているんだ。
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[Narration]
杏里はまた前を向き直して続けた。
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[Anri]
可憐で美しい少女を想い浮かべる時、ボクの心は恋に焦がれ、踊り出す身をおさえられなくなる。
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[Anri]
若き乙女こそ、この世の美の象徴だ。すべての詩よ、祈りよ、賛美歌よ。乙女を讃えるためにこそあれ!
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[Anri]
この胸に絶えずほとばしるパトスを、乙女たちの愛の器にこそ注ぎこみたい。
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[Anri]
ボクの愛は、ある時は彼女らのまとう花の香りに。またある時は、甘き眠りへと誘うしらべになろう。
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[Anri]
そしてある時は、薄明に瞬き、彼女らに朝の到来を報せる明星になろう……
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[Anri]
とまあ、こんな事ばかり考えてるんだ。いつも。うん。
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[Narration]
ソヨンは目をぱちぱちさせている。
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[Anri]
耳ざといビジターたちに何か言われなかったかい?
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[Soyeon]
あの、杏里先輩は、レズの王子様だって……
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[Anri]
あはは。そう、それ。
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[Soyeon]
ほ、ホントだったんですね……
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[Soyeon]
じゃ、杏里さん、男性は駄目なんですか?
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[Anri]
いや、嫌いじゃないよ。男にだっていい奴はいるさ。
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[Anri]
ただ、友達になってもいいと思う奴はいたけど、眠れないほど好きになった男性はいないなあ。
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[Soyeon]
……はぁ……
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[Anri]
驚いたかい?
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[Narration]
ソヨンは深く肯いた。
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[Soyeon]
もう、びっくりですよ。
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[Soyeon]
あたし、そういった方々は小説や映画の中にいるものだとばかり……
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[Anri]
現実は小説よりも驚きに満ちている。ま、別に自分では珍しいとは思ってないけどね。
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[Anri]
……それで、ボクを避けていたわけじゃ?
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[Soyeon]
ち、ちがいますっ!そんなっ。
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[Anri]
本当に?
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[Soyeon]
は、はいっ! 本当です!
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[Anri]
よかった。
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[Narration]
杏里はスラックスについた草をはらって起きあがると、ひょいと柵の上へと腰を乗せた。
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[Narration]
ソヨンもそのすぐ脇に立って、柵にヒジをつき、やがてとつとつと語りだした。
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[Soyeon]
あたし、その、何となくわかり、ます。杏里さんが本気で女の人を好きになる、その気持ちって。
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[Soyeon]
何て言ったらいいんだろ。言葉に出来ないや、けど……あ、じゃあ本当はわかってないのかなっで、でも、解るようにがんばります。
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[Soyeon]
ただ、あたし自身はまだ、そのっ……相手の性別に関わらず……愛してる……とかは……よく……解らなくて……
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[Narration]
夕映えに負けじと赤くなるソヨンを見て、杏里は微笑んだ。
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[Anri]
ありがとうソヨン。今は、それでじゅうぶんだよ。
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[Anri]
じゃあ……
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[Anri]
ね、ソヨン。よかったらどうしてボクを避けていたのか、教えてくれないだろうか?
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[Soyeon]
違うんです! 杏里さんを避けていたんじゃないんです!
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[Anri]
というと?
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[Soyeon]
あたし、実は、う、うう、ううう───
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[Anri]
ううう?
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[Soyeon]
う
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[Soyeon]
海が怖いんです!
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[Anri]
ハ?
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[Soyeon]
……ひゃぁぁ……言ってしまったぁ……
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[Soyeon]
あたし……どうしよっ……恥ずかしぃ…………っ!!
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[Narration]
何を聞いても驚かないでいようと思っていた杏里の肩が、ずるりとさがる。
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[Anri]
海って、この船が浮いてる……海?
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[Soyeon]
は、はいっ、そうなんです。
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[Soyeon]
あ、あとプールもっ、おふろも、あんまり大きいのはっ、だめなんです。
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[Soyeon]
とにかく、水面(みなも)がゆらゆらしているのを見ると、あたしっ、もう足がすくんでしまって……!
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[Anri]
じゃあ、以前、部屋で様子がおかしかったのも、高い所が怖いんじゃなく……
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[Narration]
顔を青ざめさせ、ぶんぶんと前髪を浮かせてうなずくソヨン。
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[Soyeon]
う、海側の窓を避けてたんです。
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[Anri]
……ふぅ、それで……か。
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[Anri]
そっか。なるほど……待ち合わせにしたカフェテラスは、三方を海に囲まれてるし。海を眺めるには絶好の場所と思ったんだけれど。
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[Soyeon]
はぁあ〜、あんまり言わないでくださいぃ、想像するだけでも、た、立ってられないんです……
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[Narration]
震え上がったソヨンはへなへなとその場に崩れた。
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[Narration]
杏里はフフと微笑みながら、優雅な身のこなしで前後に手をまわし、頭を垂れた。
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[Anri]
それでは改めて、レディ?
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[Anri]
よろしければ、デートを申し込んでもよろしいですか?
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[Soyeon]
えっ……今からですか?
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[Anri]
馬、好き?
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[Soyeon]
えっ?
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[Anri]
ソヨン、馬、好きなんだ?
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[Soyeon]
は、はいっ!お馬さんを見ていると、何時間でも飽きません。
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[Anri]
きっとその背を借りたら、もっと楽しいよ。
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List of all oneshots
List of all series

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Hana ni Arashi
Kakegurui Yorozu
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