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grpo_bu1
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あー、体がだるい。
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そして、お腹が痛い。
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毎月一回、なんでこんなのくるかな。カンベンしてほしいんだけど。しょうがないってわかってるんだけど。
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先月はそんなでもなかったんだけど、なんで今月だけ、こんなに重いかなぁ……。
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昨日から始まっちゃったんだけど、今日はもう、特にひどくて、朝からずっと熱っぽい感じするし、体はだるいし、お腹は痛いし。
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もう、ちょっと耐えられなくて、3時間目にギブアップして、ずっと保健室で寝させてもらうことにした。
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ああ、ほんと、だるいし痛いし、いやになる。女だからしょうがないんだけど……。
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でも、トイレ行った時、汚れたナプキン見ると、もうあっという間に力が抜けてくる。痛みも増してくる感じで。
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横になってるとちょっとは楽なんだけど、痛いのはそんなに変わんないし。ああもう、だるいんだってば……。
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なにを考えても、最後には痛いとだるいに戻ってきちゃう。はぁ、いやんなる……。
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そんなふうに、生理のつらさに振り回されながら、ずっとうとうとしていたら……。
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grpo_bu1
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grpo_bu1
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園生月代
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桐……?
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剣峰桐
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ふぇ……?
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ベッドのまわり、閉じていたカーテンが開いて、ひょこって感じで、月代ちゃんが顔を出してきた。
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園生月代
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あら、起きてたの?
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剣峰桐
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あ、月代ちゃん……。
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園生月代
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具合、悪いんだって? 大丈夫?
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剣峰桐
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うん……、ちょっと生理、来ちゃってて……。
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園生月代
>
そうだったんだ。あ、起きなくていいのよ。寝てなさい。
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剣峰桐
>
うん……。
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あー、いつもだったら、月代ちゃんの顔、見ただけでテンション上がるのになぁ。
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今日はもう、起き上がる気力もない。もちろん、抱きつきにいくことだって。く、生理の重い今の自分が憎い。
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園生月代
>
保健の先生、今はちょっと外されてるみたいなの。
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剣峰桐
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あ、そうだったんだぁ。
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気付かなかった。だから、月代ちゃん、桐って名前で呼んでくれたんだ。二人っきりの時じゃないと、呼んでくれないもんね。
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剣峰桐
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月代ちゃん、授業は?
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園生月代
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今は空き時間。だから、様子、見に来ちゃった。
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剣峰桐
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そっかぁ……。
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園生月代
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そばにいていい? それとも、寝るのに邪魔?
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剣峰桐
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ううん、邪魔じゃない。いてくれるの、うれしい。
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園生月代
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そう、よかった。それじゃ、お邪魔するね。
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剣峰桐
>
うん……。
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月代ちゃん、椅子を持ってきて、私の寝てるベッドの隣に座る。
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園生月代
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手、握ってあげようか?
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剣峰桐
>
うん……。
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ああ、なんか幸せ。布団の端っこから出した手を、月代ちゃんに握ってもらう。
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園生月代
>
ふふ、前にもこんなこと、あったよね。あの時は、私が熱を出した方だったけど。
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剣峰桐
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そだね……。
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夏合宿の時だったよね。がんばりすぎた月代ちゃんが、熱出して寝込んだの。
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あの時は、寝てる月代ちゃんの手、私が握ってたんだっけ……。私も途中で寝ちゃったけど。
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園生月代
>
眠たくなったら、寝ていいからね?
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剣峰桐
>
ん、そうする……。
>
あの時の月代ちゃんもこんな気持ちだったのかなぁ。なんだか、手を握ってもらうと、すごく安心する。
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それに、ずっと握っててほしいなぁ、なんて、甘えたい気持ち、すごく強くなっちゃって。体調悪い時って、心細くなるんだなぁ。
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園生月代
>
んー……。
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剣峰桐
>
ひあっ!?
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園生月代
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熱はそんなにないのね。
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い、いきなりおでこに手を当てられて、びっくり。そこは、おでこ同士で熱計ってほしかったなぁ、なんて。
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でも、ちょっと冷たい月代ちゃんの手のひらも、気持ちいいなぁ……。
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剣峰桐
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う、うん……。ちょっとだるいだけだから。
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園生月代
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まぁ、しょうがないよね。こればっかりは。
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剣峰桐
>
月代ちゃんも、大変?
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園生月代
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んー、まぁ、それなりに。でも、慣れちゃったのもあるし、仕事してるとそうも言ってられないし。
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園生月代
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先生なんだからね。みんなのためにがんばらなきゃって思うと、なんとか乗り切れちゃう。
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剣峰桐
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ほんとに仕事好きなんだから……。
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がんばりすぎちゃうと、熱出しちゃうくせに。でも、がんばってる月代ちゃん、かわいいしなぁ。最近は、かっこいいって思うようにもなったし。
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園生月代
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眠い? 子守歌でも歌ってあげましょうか?
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剣峰桐
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ええ? いいよ、もう……。
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なんでそんな扱いになるのかなぁ。私が、寝込んでる月代ちゃんに歌ってあげるならまだしも。
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園生月代
>
ふふ……。
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ちょっと憮然としちゃった私の顔をのぞき込んで、月代ちゃんが笑った。
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剣峰桐
>
なに?
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園生月代
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なんだか、桐、かわいい。私、ずっと、こんなかわいい妹がほしかったのよね。
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剣峰桐
>
えー、妹って……。
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恋人に向かって、そんなこと言わないでよ。なんだか、ランクダウンしてるみたいじゃん。
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園生月代
>
桐って恋人ができて、その上、妹みたいな桐も見られるなんて、私ってお得だな。
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剣峰桐
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……もう、私が妹みたいなんて、ないでしょ、そんなの。
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園生月代
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あら、なんで?
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剣峰桐
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だってさぁ……。でっかくて、名前ごつくてさ。ビジュアル的にちょっと無理、ありすぎ……。かわいいとか、ないでしょ。
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園生月代
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あら、桐はかわいいわよ。
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剣峰桐
>
そうかなぁ……。
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私だって、鏡見たこと、あるんだよ? 背も高いし、顔も生意気そうだし。月代ちゃんの妹なんて、似合わないこと、この上ないってば……。
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園生月代
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ええ、ちゃんと説明してあげましょうか?そうねぇ……。
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園生月代
>
まず、ぬいぐるみとか、小動物とか、かわいいものが大好きでしょ? いっつも、かわいいかわいいってそれを素直に出すところ。
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剣峰桐
>
うーん、そうだけど……。
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でも、私のかわいいって言い方、かなり変態っぽいって言われるんだよね。自覚もしてるんだけど。
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園生月代
>
それから、自分のそういうとこや、ちょっと背の高いところとかに、コンプレックス持ってるとこ。
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それ、かわいいとこなのかなぁ……。
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そんな疑問も出ちゃうけど、まだまだ月代ちゃんの言葉は続いて、次々、私のかわいいところがあげられてく。
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園生月代
>
私のこと、月代ちゃんって呼んでくれる声。とっても、かわいい。
>
園生月代
>
きれいな目元、涼しげなって感じよね。あと、背も高いけど、手足も細くて長くて、きれいなとこ。
>
園生月代
>
あ、背中もきれいよね。肌もまだピチピチだし。
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剣峰桐
>
え、ちょ、ちょっと……。
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そ、そんなとこまで踏み込むの?
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園生月代
>
キスした時、必ず最初、びっくりして目を見開くとことか。あと、首筋弱くて、んって声が出ちゃうとことか。
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園生月代
>
その声が出る唇も、かわいいかも。
>
剣峰桐
>
ちょっと、やめて、月代ちゃん、それ以上いけない!
>
な、なにを言い出すの、この先生! ここは学校! ここは保健室! そんなディープな話題はいけない!
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というか、それは妹としてのかわいさの範疇を超えてるよね? 月代ちゃん、妹になにを求めてるの? もしかして妹萌えなの!?
>
ああ、頭に血が上って、クラクラする……。
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園生月代
>
ふふ……。
>
剣峰桐
>
もう、月代ちゃ~ん……、そんなかわいさ、妹に求めちゃダメだよ……。
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園生月代
>
そうかもね。
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剣峰桐
>
全然、妹的かわいさの説明になってないよ……。
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園生月代
>
そうね、途中から、桐のかわいさになっちゃったわね。
>
園生月代
>
でも、私の桐は、そういうところがすごいかわいいのよ。
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剣峰桐
>
……!!
>
あああああ、なに、この人、私を茹で殺そうとしてる! だめ、萌え死ぬ。
>
園生月代
>
桐は、私のためだけにかわいければいいの。そんな桐が大好きよ。
>
だめ、殺される。私、月代ちゃんに殺される。うん、だめ、すごい本望。
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園生月代
>
あら、顔、真っ赤ね?
>
剣峰桐
>
月代ちゃんのせいだよぉ……。
>
握ったまま、離してくれない手。仕方ないから、もう片方の手で、掛け布団、引っ張り上げて顔を隠す。
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園生月代
>
ごめんね、ちょっといじめ過ぎちゃったかな。
>
剣峰桐
>
もう……。
>
園生月代
>
お薬、飲んだの?
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剣峰桐
>
う……、けっこう前に飲んだ。
>
園生月代
>
それじゃ、もう一回、飲んでおきなさい。持ってきてあげる。
>
剣峰桐
>
うん……。
>
はぁ、やっと手を離してくれた。ちょっとさびしいけど、手もさっきから熱くて仕方なかった。
>
でも……、そのおかげで、ちょっとだけ、痛いのとだるいの、忘れてた……。
>
園生月代
>
はい。お薬とお水。
>
剣峰桐
>
うん……。……んく。
>
ちょっと体を起こして、お薬、飲んで。また、横になって。
>
園生月代
>
もう少し、横になってなさい。お薬、効いてきたら、きっと眠くなってくるだろうし。
>
剣峰桐
>
うん。
>
園生月代
>
授業あるから、もうすぐしたら、私行くけど、また後で様子を見に来るわね。
>
剣峰桐
>
うん……。
>
あ、なんだか、ほんとに眠くなってきた。頭に上った血がひいたからかな……。
>
園生月代
>
放課後になったら、私の車で家まで送ってあげるわ。
>
剣峰桐
>
え……、そんな、悪いよ……。
>
園生月代
>
気にしなくていいわよ。体調悪いんだから、無理しなくていいの。
>
剣峰桐
>
……うん。ありがと、月代ちゃん……。
>
園生月代
>
どういたしまして。あ、そうだ。
>
園生月代
>
ついでに、親御さんにご挨拶、しようかしら。桐さんの恋人ですって。そのうち、ちゃんともらいに来ますからって。
>
剣峰桐
>
ええ!?
>
園生月代
>
ふふ、冗談。
>
剣峰桐
>
つ、月代ちゃ~ん!
>
うわーん、この人、ほんとに冗談が大人だぁ。なんでそんなに、私を驚かせるわけ? しかも、今日に限って!
>
園生月代
>
そういうのは、もっと後にね。
>
剣峰桐
>
もう~!!
>
園生月代
>
はいはい、大人しく寝てなさい。おやすみ、桐。
>
そう言って、おでこにキスされた。
>
月代ちゃん、時々、こんなふうに私を手玉に取るんだから。ちっちゃいのに、かわいいのに。
>
恋人としては、私よりずっと大人で。私は、まだまだ月代ちゃんの前では子供で。
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すごい恋人だな、月代ちゃんって。感心しちゃうけど……。
>
私がこんな時に限って、そういうとこ見せつけるのは、ずるいなぁ……。大好きだけど。
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そんなことを思いつつ、私はゆっくりと眠りに落ちていった。意識が途切れるまで、月代ちゃんはずっと、手を握ってくれていた。
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